「広がる鳥取和牛の魅力」食材視察ツアー「鳥飼畜産」
先日「食のみやこ鳥取県」食材視察ツアーの一環で、東京から有名なシェフを含む20名の方に鳥飼畜産・やまのおかげ屋ツアーを体験していただきました。
弊社の指定農家である鳥飼畜産さんにて、牛たちの餌や環境、また一般的に難しいとされる一貫肥育についてご案内しました。
この他最近では、なんと遠路はるばるチェコ共和国からシェフ・お肉屋さんも、鳥飼畜産とあかまる牛肉店に視察ツアーに参加いただきました〜♪
この方々は以前、読売新聞英語版で取材していただいた際の英語版記事を読んだことをきっかけに、鳥取県にまでお越しいただきました。
国内外に鳥取和牛の認知が広がってきている良い傾向ではないでしょうか^^
「鳥飼畜産」鳥取和牛の美味しさの理由
2017年の和牛オリンピックで肉質日本一となったことをきっかけに、
その肉質の良さから、鳥取和牛が日本各地ないし、国を超えて海外にまで注目されるようになってきました。
その鳥取和牛の中でも、鳥飼畜産が注目されるその理由とは…
美味しさ
風味
くちどけ
この3つの要素が高く、そしてバランスが良いからではないでしょうか。 実はその要素が高いことには、裏付けされた理由があるのです^^
昨年鳥取県の畜産課の方の協力を得て、実際に数値化したデータを出していただきました。
「美味しさ」に関わる栄養素グリコーゲンの含有量‥単独では無味無臭のグリコーゲンですが、他の成分とあわさるとうま味が出ます。
「風味の良さ」に関わるのはグリコーゲンと水分量の比率です。
「くちどけ」に関わるのはオレイン酸の数値です。この数値が高いと融点が低く、口に含んだ瞬間に溶けるという食感に関わります。
この3つの数値を調べていただきました。
その結果はというと、鳥取県内の和牛畜産農家さんの中でもこの3つの要素がバランスよく高い数値として出ている農家さんが鳥飼畜産でした。
どれか1つや2つの要素がズバ抜けて高い畜産農家さんがいる中で、全体的にバランスが良いのは鳥飼畜産だけでした。
※農家効果とは
外的要因をなくして、純粋に農家の能力を測ろうとした指標。
農家がコントロール可能なこと – 環境、えさ、飼い方、農家の資質など。
農家がコントロール不可能なこと – 出荷年次・どの年に出荷したか、性・去勢なのかメスなのか、屠畜場所・どこで屠畜したのか、月齢・何ヶ月肥育したか、近親交配など。
この結果を見ると、「美味しさ」とは個人がそれぞれ感じる概念的なものではなく、数値化して「見える」ことができるというのは驚きですよね。
ではなぜ、「鳥飼畜産」はこの3つの数値が高いのでしょうか?
牛へのストレスを極力低減できる「一貫生産」
エサ、水、血統‥さまざまな要因が考えられますが、私たちは「一貫生産」によるところが大きいと考えられています。
一般的には和牛を育てる過程で、繁殖農家(子牛を生ませて市場に出品)と肥育農家(セリ市場で購入した子牛を育て出荷)に分かれます。
鳥飼畜産はこの繁殖と肥育を同じ農場で行っています。
また、高度な技術と経験を必要とする「種付け」も独自でしている数少ない農家さんです。
この難しいとされる一貫生産のデメリットは非常に管理が難しい、また専門的な技術を必要とすること。
その反面、牛たちにとっては非常にストレスが少ない環境と言えます。
生まれた子牛はしばらく母親と同じ一緒の牛舎で育ち、肥育の段階で隣の牛舎に移されますが、母親ないし祖母牛の鳴き声も聞こえる距離で出荷まで育てられます。
さらに、飼育員が変わらないこともストレス低減の要因の一つ。 幼いころから同じ人に、愛情をもって育てられます。
こうして極力ストレスが少ない環境下で育てられた牛だからこそ、健康な牛に育つと考えられています。
(極端に言ってしまえば、セリに出された子牛が沖縄から北海道まで移動するだけで相当な負荷とストレスがかかることになりますが。。。)
また、365日24時間体制で牛を見守る管理体制も牛の健康維持に大きく関わっています。
「鳥取和牛」の認知を広げる
このように一貫生産を採用することで、鳥飼畜産に見られるトップレベルの「美味しさ形成」が保たれていると私たちは考えています。
鳥取和牛の認知が拡がっているとは言えど、まだまだ低いとされていることが現状です。
あかまる牛肉店として鳥取和牛が全国、世界中の方に届くように積極的に発信していきますのでよろしくお願いいたします_(._.)_
——以下は引用——-
【検証データについて】 <検体> 2013年-2020年に出荷された鳥取県内和牛肥育牛6,688頭 <指標> 枝肉3形質:枝肉重量/ロース芯面積/BMS おいしさ3形質: グリコーゲン/風味の強さ/オレイン酸 *風味の強さとは グリコーゲン含量と水分含量の比率。グリコーゲンが少なく水分が多いと美味しくないとされる。
<実測値での結果> 枝肉重量、ロース芯面積は平均もしくは若干下回る。BMSは少し平均より上。 グリコーゲン、風味の強さ、オレイン酸は平均値を大きく上回る。
<農家効果を加味した結果> 全ての値に置いて平均値以上。特においしさ形質の3つの要素は大幅に平均を上回る。
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