和牛オリンピックで肉質日本一
鳥取和牛は、2017年の和牛オリンピック(第11回全国和牛能力共進会 5年に1度開催される和牛日本一を競う審査大会)で、肉質日本一の栄誉に輝きました。日本一を取るくらい肉質を極めた鳥取和牛ですが、今、実は一番こだわっているのが“脂質”なんです。
“肉”でなく”脂”のブランド「オレイン55」
美しく霜降りの入った牛肉は人気があります。その霜降り肉は、肉(筋繊維)と脂(脂肪交雑)でできています。霜降りの肉は近年、脂が多いからと敬遠する人も増えています。「胸焼けした」などと言う人もあります。これは脂の量だけの問題ではなく、その肉に含まれる脂の“質”が異なるのではないかと考えています。
オレイン酸は、不飽和脂肪酸の一つで動物性脂肪や植物油に多く含まれます。 オリーブ油から分離されたことに由来して「オレイン酸」と命名され、ナッツ類や椿油などにも豊富に含まれています。オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを下げる効果があります。善玉コレステロールを下げず、悪玉コレステロールだけを下げることから健康食品の成分としても注目されています。
「鳥取和牛オレイン55」は、このオレイン酸を55%以上含む肉ということで、胸焼けしにくい脂、16度という低い融点が食べやすさを実現します。健康面でも、人間の身体に善い影響を与えると考えられています。それだけでなく、オレイン酸は、牛肉脂肪中に多く含まれるほど肉の風味をよくすると言われています。
鳥取では、平成23年のブランド創設から、すべての和牛のオレイン酸数値を測っています。鳥取和牛の年間出荷頭数は、約2100頭。このうち「鳥取和牛オレイン55」というブランドに認定されるのは、わずか全体の20%、400頭程度とされています。
やまのおかげ屋が扱う肉
「人の身体にとって良い肉を・・・」という想いで、鳥飼畜産では2013年ごろから、二代目の鳥飼雄太郎氏が中心となって、血統やえさの改良に取り組みはじめました。
全国に300のブランド牛があると言われますが、それらの血統の中でも、肉質が良く、“脂質”が良い牛を選び、自社農場で人工授精して繁殖。1頭の牛が育ち、肉となって評価されるまで3年の期間を必要とします。また、近隣の畜産農家を当たって、すでに結果の出ているえさを積極的に取り入れるようにしました。
こうして5年ほどの期間、研究を続けてきた結果、鳥取和牛全体では20%にとどまっている「鳥取和牛オレイン55」の出現率が、鳥飼畜産では70%近くが認定されるという非常に高い水準となっています。
人が食べて健康になれる肉を作れば、胃がもたれることもなく「また明日も食べたい!」と、皆さんに喜んで食べてもらえます。「人の身体にとって良い肉を・・・」この考え方にやまのおかげ屋も賛同して、鳥飼畜産の牛肉を求めるようになりました。
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